売上は企業活動の根幹であり、税務・会計の双方で最重要領域です。ここが曖昧だと、調査・監査で必ず深掘りされます。実務で効果の高い“最小限で効く”統制の考え方を整理します。
1. 認識基準の明文化
- 引渡基準/検収基準/役務完了基準の選択と運用ルール
- 月次締切・遡及修正の可否と承認権限
- 請求・入金・消込のタイムラグと整合性の担保方法
2. 証憑と台帳の“ひも付け”
- 契約→受発注→請求→入金→消込の連番・照合
- 単価変更・値引・キャンセルの承認ログ(メール/ワークフロー)
- システムとExcelの二重管理を解消し、改ざん痕跡を残す
3. 職務分掌と代替統制
- 起票・承認・記帳・出納の分離
- 人員が限られる場合は代替統制(スポットチェック、定期レビュー)
- レビューは「論点メモ」形式で残し、後日の説明可能性を高める
4. 監査・調査で見られるポイント
- 売上計上の月ズレ、未収金・前受金の棚ざらし
- 特定取引先の比率偏重、異常値(単価・数量・期末駆込み)
- 売上と現預金/売掛の整合(突合エラーの放置)
5. ログと証跡の“保存設計”
- クラウド会計・販売管理の利用ログ、承認履歴の保存期間
- 電子帳簿保存法・インボイス制度への適合(検索要件・真実性)
- 退職者アカウントの権限管理とアクセス遮断





